凪のあすから|感想:何だかんだ見返したくなるのは24話じゃなくて17話だと思ってる【恋愛ドロドロアニメ】

Anime
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総合評価:★★★★★

音楽:★★★★★
物語:★★★★★+
特徴:岡田麿里さん味が濃い濃い


制作スタッフの中にドSの人がいる。

性格のいい好青年のキャラを作っておきながら、自分は誰かに必要とされているのだろうかと孤独を抱えている少年の名前を「要(かなめ)」と名付け、ずっと片思いを隠しながら生活していたのに、その好きな女性すら眠っている間にクールイケメンにかっさらわれる。ましてや、24話まで救済しなかった人のことです。

ほんとにいい仕事してくれましたよ。

ずっと好きだった人が、他の人を好きになって失恋する?ましてや自分じゃどうしようもない状況下で?

そういう展開、大好物です!

正直、主人公側の恋愛事情よりも、サブキャラクターたちの恋愛事情のほうがおもしろかったとすら思ってる。

「ドロドロしたアニメが見たいって人にはおすすめの作品だし、設定の作り込みがすごいよね」っていうのが基本スタンスで語っていきます。どうぞよろしくおねがいします。

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美術の暴力

『凪のあすから』公式HP SPECIALより

僕は芸術に疎いらしく、美術館に行っても5歩進んだだけで飽きた経験がある

案内図を見ただけでお腹いっぱいになるくらいだし、もちろん有名な絵画を見てもなにも思わない。

むしろそれを見に来る人たちの様子のほうが気になるくらいだった。

だがこんなおれにもアニメにおける『美』は分かる!!『美』とは、作品のためだけに寿命を削り引き立てるやつのことだ!!

ファンタジー世界と現実をうまく融合させた世界観、それを表現した美術に敬意を評したい。

ぶっちゃけ、PVを見た段階で「これ、背景やばくないか……?」と驚愕したが、2クール終わるまで走りきってくれた。

惹き込まれる世界観

絵の美しさに加え、世界観も魅力の1つ。

海に住む人間、陸に住む人間、両者には隔たりがあり、同じ人間でも相容れない存在となっている。つまり、見た目は違えど、スターウォーズのグンガンと人間みたいな関係性なのだろう


両者の隔たりを感じる例えとして、結婚のルールがある。海に住む人間は陸に住む人間との結婚が禁止されているようです。

ちなみに、陸で暮らす人は元々海で暮らしていた人らしいですよ。だから、陸のほうが海よりテクノロジーの進みが遅いらしい。

そして物語は、海の人間である”まなか”と陸の人間である”紡”が運命の出会いをする現場を、”光”が目撃することから始まる。冒頭からややこしいうえに、始まりから三角関係ができあがっている


そういえば、インタビュー記事でおもしろいコメントがあったので抜粋しました。どうやら主人公の光は、主人公じゃないらしい。日本語がおかしい気がするけど実際そう言っているのでしょうがない。

詳細は下に引用したので読んでみてください。

岡田
海と地上の男の子と女の子というところから、どういう恋が成り立つのか考えてキャラクターを作っていきました。最初は童話のような雰囲気をもった物語を、深夜アニメの文法で作ってみたいと漠然と思っていたんです。けれど、それをイコールにするものがなかなか見つからない。悩んだすえに、“恋が生まれそうな瞬間の目撃者を作ろう”と思い付いたんです。そこから“童話を読む人の話”の目線で描くと面白いんじゃないかなって。


――童話を読む人というのが、主人公の光にあたるわけですか?


岡田
そうですね。光は威勢がよくて、周りを引っ張っていくバリバリ主人公タイプのキャラクターなのですが今までの作品にあるような主人公の立場ではないんです。極端なことを言ってしまえば、主人公になれない子童話を読む側、恋が生まれそうな瞬間を目撃する人、それが光。

『凪のあすから』公式HP インタビュー 第5回より


うじうじするのが青春じゃないぞ

いいから思ってること素直に言えよと何回思ったことか。いや言えない気持ちは分かる、素直になれずに嫌な言い方をしてしまう後悔も知ってる。少なからずそういう経験を通して、大人になっていくものだと理解はしているつもりです。

でも、「好きって言えない。この気持ちは胸にしまっておこう、あっでもやっぱり好きだ」というくだり、正直飽きてしまった感は否めない。

だから僕ははっきり発言する人が好き。紡とさゆは思ったことを口にするので見ていてストレスフリーだった。

逆に、1番苦手だったのが要だ。ライバルが現れてから焦るのは非モテの行動でしかない。さっさと光を無視して告白しとけば問題なかった。

でもおかげで、作中屈指の名シーンが生まれたので結果オーライ。3人で食卓を囲むときのドロドロ大好き。とくに踏切のシーンは凪あす屈指の名シーンになったしね。


とまあ、文句のあるキャラと褒めたいキャラが混在してるので、キャラへの感想を整理しました。あなたは好きなキャラ、嫌いなキャラいました?


【先島光】
思い込みが激しいヒステリック。かと思いきや、2クール目からめっちゃいいキャラに変身する。大人になったちさきに「変わらないな」って言ったシーン、好きです

【向井戸まなか】
いい子だけど、1番印象が薄い。出番が少ないこともあるけど、流されやすいタイプが個人的に苦手なのもあって見ていなかった。声はいい

【木原紡】
はっきり物を言うので良き。イケメンの暴力が凄まじく、「それ真顔でよくいえたね」って思うこともしばしば。「イケメンは正義」を体現している。

【比良平ちさき】
主張しないくせに、影で泣いてしまう女の子。いかにも女の子らしい印象が強い。男は見たものでしか判断しないんだから、目の前で泣いて伝えてしまえば光も意識したぞ。

【伊佐木要】
悲劇のヒロインぶる中学生。

【潮留美海】
2クール目の成長がとんでもないキャラ。クール跨ぐときワープ進化したでしょ?ってくらい変わった。見た目、性格ともに満点。

【久沼さゆ】
生意気なちびっこが、年上男性に恋をして自分を磨いた結果、作中でTOP3に入る美貌と人気を手に入れた。はっきり物を言うからキャラとしては1番好き。恋する乙女は強いの象徴。

どうでもいいですけど、美海が同級生の男とくっつく余地を残しているのが気に入らない。それだけは勘弁してください、岡田さん。

2クール目から神展開の連続

ぶっちゃけ、連続で見れるなら1クール目も十分におもしろいです。リアルタイムで見ていたら、物足りないかもしれないけど。

物語の密度とテンポは同居は難しいのかもしれませんね。鬼滅の刃のアニメも、リアルタイムで見てたせいか「進行が遅いな」と感じたし。

でも、2クール目からは同居してました。やっぱり設定が斬新だったからか、あるいは伏線を貼り終えて回収に入ったからか。てか、成長がずれて関係変わる展開考えた人、天才か?

そりゃ、おもしろくなるに決まってる。それぞれの恋模様に決着がつくところが良い。「紡 × ちさき × 要 × さゆ」の恋愛関係とかね。


制作秘話

『凪のあすから公式サイト』のインタビュー記事を簡単にまとめたものです。より詳しく知りたいという方は、そちらを読んでみると面白いと思いますよ!

企画立ち上げの経緯

これまでずっと企画を決めてきた堀川社長が、若手に任せようと一任してできたアニメが『凪の明日から』

当初は具体的な案はなく、ただ『true tears』以来の恋愛物を作りたいと辻さん(プロデューサー)は考えていたらしい

そんな中、『月刊コミック電撃大王』で連載という話もあったことによりファンタジーならいけるのではと制作が決まった。

世界設定に難航

最初の打ち合わせで”海の中に住んでいる人のお話”ということはすぐに決まった。ただ、その後に難航してしまったみたい。

リアルな海は暗いし、水圧があるし、浮力もある。そういったイメージをどう払拭するかに悩んだらしい。

一時期は、SF要素が加わって、”居住区がドーム状の保護膜に覆われていて、そこを通ると膜が付着する”みたいな設定も出たそうだ。

それほぼマクロスFじゃん

ちなみにエナという設定の前は、首裏にエラがあってエラ呼吸している設定だったが、制作の若手に批判されて変更したみたいです。

スタッフィング

本作のスタッフを起用の経緯です。

【シリーズ構成:岡田麿里】
脚本のクオリティが高く、キャラクターの配置・描き方がうまい。

それだけじゃなく、監督は「突破力」がほしかったみたいです。オリジナル作品を進めるためには、第一歩を踏み出す力が必要らしい。それを岡田さんが持っていることが重要だったようです。

他の方のインタビューを読んでも、岡田さんは「強い女性」というのが伝わってきます。完璧な采配でしたね。

【美術監督:東地和生】
東地さんの、光や透明感の技術が理由の1つ

たしかに、本作は海の中まで表現する必要があるから、光や透明感は重要だろうと思う。正直、あの美術をみたら何言われても納得しちゃいますよね。

【キャラデザ:石井百合子】
「Another」の最終話くらいにお声がかかったらしい。それまで力強い絵を書いていたみたいだけど、「もっと柔らかい絵も書けるだろう」という判断で石井さんにお願いしたようです。

「劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME」をやりつつ、凪あすのPVを作り、劇場版作業が終わってから本格的にスタートしたみたい。めっちゃ激務、ありがとうございます。

【キーアニメーター:高橋英樹】
中学生の男の子の目線(光)で物語を描くということから、男性のアニメーターをメインに据えたかったらしい。また、水のエフェクト技術が素晴らしいことも理由の1つみたいです。

本人は、依頼をされたとき「荷が重いかな」と悩んだみたいですが、自分の判断基準と、本作が2クール目からガラリと雰囲気が変わる仕掛けに興味を持ったことが、引き受けた理由だとおっしゃっていました。



【先島光:花江夏樹(@hanae0626)】

スタッフィングのついでに声優もご紹介。

ツイッターで猫botを運営する声優。『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎の声を担当している。

元歌い手のため、歌唱力がかなり高い。ゲームとお酒が好きで、自身のチャンネルではゲーム実況動画を出している。酔うと言動がおかしくなり、先輩の私物を勝手に持ち出したり、オークションにかけようとしたりする

シラフでも、視聴者を笑かしてくれるギャグセンスがあるため、ファンにも愛されている声優さん。


ちなみに、「【実況】炭治郎役の声優 花江夏樹が「鬼滅の刃」のゲームをやったらこうなる【鬼滅の練磨】」という動画は1300万再生を突破する人気ぶり。お暇な時どうぞ。


【花澤香菜「能登さんに負けっぞ!」】

非オタも知るほど、一躍有名になった声優さん。

声が可愛いのはもちろんのこと、声優にも容姿の良さを求められる現在で、その要求を満たせる数少ない女性の1人。

というのは建前であり、いつからか”おもしろ声優”としてファンに認知されるようになり、イベントでは笑いを求められるようになる。デュラララのイベントのときは、猫なで声で可愛いポジションとってたのに…どうしてこうなった。

悲しいことにファッションセンスが壊滅的で、ファンに指摘されることに不満を抱いている。気になる人は、「ポプテピピック」第13話のAパートを見よう。

なぜ男はドロドロが好きなのだろう

花澤さんて書くネタがありすぎて困るな

というのはさておき、凪あすのクオリティは高いのでぜひ見てほしいです。岡田麿里さんが脚本なだけあって、ちゃんとドロドロしてます。

そういうの好きな人にとって最高ですよ。